「悪役令嬢もの」といえば、悪役令嬢に転生してしまったヒロインがバッドエンドを回避するために奮闘する――という展開が王道ですよね!
もちろんそれも面白いのですが、王道から少し逸れた物語も楽しんでみませんか?
今回ご紹介する『悪役令嬢に転生したら異臭漂う世界だったので、いい香りで救います!』(原作:ひなの琴莉、漫画:桜庭あさみ)には、川流し刑を望むヒロインが登場!?
自分らしく生きていく彼女から目が離せません★
それでは早速見ていきましょう♪
あらすじ
交通事故に遭い亡くなってしまった主人公が転生した先は、ハマっていた乙女ゲーム『麗しのプリンス☆ラブスイート』に登場する悪役令嬢・リザベット!?
8歳の誕生日を迎えたばかりのリザベットに生まれ変わった彼女は前世の記憶があります。
約10年後に、乙女ゲームのヒロイン・レイラーンを虐めたことを断罪されて身分を剥奪され、スカイマーキー王国から追放されてしまう“アンドルフ王子との婚約破棄イベント”が起きることを知っており、自身の運命を嘆き悲しむのでした。
ただ、他にも頭を悩ませることが……。
なんとリザベットが住む世界はいい香りを楽しむ文化がなく、部屋や人がとにかく臭いのです!!
前世ではアロマショップで働いていたほどいい香りが好きな彼女は、その事実を放っておけません。
そこで調べてみたところ、国外追放の刑罰の中には「川流し刑」があり、高確率で自然豊かな国「ムルーア王国」に流されることが分かりました。
自然豊かな国だったら、花やハーブを手に入れ、いい香りの部屋に住めるかもしれない――。
そう考えた彼女は国外追放で川流し刑になることを目指し始めます。
そして18歳になったとき、婚約破棄イベントを迎え、川流しの刑を言い渡されることに♪
数日後、想像どおりムルーア王国で暮らすことになった彼女は、第一王子・サンドールをはじめ様々な住民と出会って……。
山あり谷ありの異世界転生ライフ、本格的にスタートです!
登場人物
リザベット・パラモ・ナリアット:スカイマーキー王国の第一王子・アンドルフの元婚約者。ムルーア王国に足を踏み入れた後、香りに関わる仕事ができるようになる。
サンドール・ティア・ローゼン・ムルーア:ムルーア王国の第一王子。リザベットの素性を知らず、彼女をかなり警戒している様子。立ち振る舞いなどを見て、対立国のスパイなのでは?と推測したが……。
ここに注目!
転生してすぐに自分が乙女ゲーム『麗しのプリンス☆ラブスイート』に登場するリザベットになったと気づいた主人公。
しかしゲームをプレイしていた際に動かしていたキャラクターは平民出身のぽっちゃりメイド・レイラーンだったため、前世の記憶はあっても、リザベットが国外に追放された後のことは知りません。
……つまりはゲームで描かれない=国外に追放された後はシナリオ通りの行動を一切しなくて良いのです!!
そんななかで、ストーリーが進むにつれて“さまざまな変化”が生じていきます。
ここからはコミカライズ第1巻の中で特に大きく変わったことや、これから変わっていくかもしれないことをピックアップ★
変動1:人々の香りに対する意識
あらすじでもチラッと触れたとおり、本作の世界は主人公がリザベットに転生した直後に「臭いー!!」と叫んでしまうほど、とにかく部屋や人から異臭が漂います。
理由は、香水やアロマがないうえに、貴族でもなかなか石鹸を手にいれることができないから!
そこで現状を打破したかったリザベットは、自然豊かなムルーア王国で自らアロマを作り、いい香りの部屋に住みたいと夢を見るようになりました。
婚約破棄となり、念願の「川流しの刑」を言い渡されてムルーア王国で暮らせることになった後、偶然巡り合った破産寸前な花屋で働くことに♪
前世で培った知識を活かしつつ、ローズウォーター(=バラの香りがするお水)や香り袋を作って売っていきます。
結果、リザベットがムルーア王国にやってきて1か月が経ったころには、多くの人がローズウォーターや香り袋を買い求めるほど、世界の人たちに“いい香りの商品”の良さがどんどん広まっていったのでした。
いい香りを楽しむ文化を定着させるために一生懸命頑張るリザベットを見ていると、つい応援したくなりますし、「彼女の努力が報われて良かった〜」と嬉しくなっちゃいますよね♪
そして花屋の店主と娘が田舎に帰ることになって店を引き継いだ後も、リザベットの活躍は止まりません★
ハーブパンやハーブティー、ついには石鹸までも作り出して販売。
侯爵夫人コーカロットにもリザベットが作った石鹸が気に入られ、貴族が集うパーティ会場の休憩室に香りの空間を作りたいと願う彼女の依頼もしっかりと果たしたのです。
さらにはリザベットが経営する「いい香りショップ KAORU」が口コミでどんどん広まり、いい香りがする花を飾る住民が増えた影響を受けて、彼女が住む街が「フラワータウン」と呼ばれる新しい観光名所になったようで……。
ここまでくると、もう「すごい」としか言えません!
彼女が新たに始めた香り教室にもぜひ通ってみたいです。
変動2:リザベットと関わる者たち
婚約破棄イベントが発生するまで、基本リザベットは家族や屋敷内にいる使用人たちと交流していました。
そんな彼らと離れ離れになった後、お店を経営して多くの者にいい香りを提供するまで、彼女はたくさんの人と出会います。
まず忘れてはいけないのは、やはり花屋を経営していた店主・エグモントと、店主の娘・ミュー!
リザベットが仕事や住む場所を与えてくれたふたりと共に、破産寸前の店を建て直そうとするところから物語が大きく動き出していきます。
もしふたりと出会えていなかったら、リザベットはいい香りを世界の人々に広めることができなかったのでは?
そう思うと彼らとの運命的な出会いに感謝したいですね!
だからこそ、田舎で一人暮らしの祖母が病に伏し、ふたりがリザベットに店を譲って祖母の住んでいる田舎へ帰ってしまったときには、またいつか3人が一緒に働いている姿を見てみたいと思ってしまいました。
それからふたりの意思を引き継いだリザベットは、近所の商店街の人たちに協力してもらいながら「いい香りショップ KAORU」をオープン♪
アルバイトとして雇った魔術師のルハイーゼも必要不可欠な存在です。
どうやらローズウォーターの大ファンらしく、時間があるときに積極的に手伝ってくれている様子。
これからもリザベットをそばで支え続けていくルハイーゼにも注目したいですね♪
ほかには「アロマはすべての悩みを解決する」という情報が出回り、店を訪れたティルバラも見逃せません!
同じ年ということもあってすぐに意気投合し、友達になったリザベットとティルバラ。
そのときのリザベットはムルーア王国にやってきたばかりだったので、ティルバラがムルーア王国の第一王女だと知りませんでした。
後日、ティルバラの正体を知ったリザベットでしたが、これからもずっと友達でいることを約束。
ふたりの関係が変わらなくてよかったです〜〜!
今後変動するかも?:サンドールとの関係性
温かい人たちに支えられながら異世界ライフを満喫しているリザベット。
一方で、そんなリザベットをあまり良く思っていない人物がいるようです。
その人物は、ムルーア王国の第一王子・サンドール。
彼は妹のティルバラとリザベットが仲良くしているのを知ったとき、ティルバラをたぶらかして、王宮にパイプを持とうとしているのでは?と推測。
リザベットの店に出向き「大事な妹を惑わさないでくれないか!?」と忠告したのでした。
ただリザベットがパーティー会場で酔っ払った貴族に絡まれていたときに助ける場面もあって……。
咄嗟に紳士的な行動を見せるサンドール、カッコいいですよね♡
絡まれていた人物が警戒している相手(=リザベット)でも迷いなく助けてくれるところも素晴らしい♡♡
リザベットの素性を裏で調べている彼が、今後どのように接近してくるのか気になります!!
原作ノベル発売中
本作はコスミック出版より発売中のノベルが原作となっています。
全1巻でスラスラと一気に楽しむことができますので、こちらもあわせてチェックしてみてください★
まとめ
今回注目したコミカライズ版は2024年5月に第1巻が発売されたばかり。
ここからますます盛り上がっていくでしょう!
リザベットはサンドールに認められ、引き続き多くの人に“香り”の魅力を知ってもらうことができるのか?
本記事を読んで本作に興味を抱いた方は、ぜひリザベットの行く末を見守ってほしいです!!
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