「ピリピリした空気」とか「張り詰めた空気」、「のほほんとした雰囲気」など、私たちは普段の生活で多少なりとも空気を読みながら生きていますよね。
なかには空気に敏感なばかりに、必要以上にメンタルが疲れてしまう人もいるのではないでしょうか?
『空気が「読める」新入社員と無愛想な先輩』(鳥原習)の主人公である志野(しの)も、「若いのに場の空気が読める」と上司から評価されている会社員。ただし、志野の場合は「空気が読める」というよりも「空気が見える」。
そう、実は彼女には人の感情が視覚的にバッチリ見えてしまう能力があるのです!
便利なことも多いけれど、ネガティブ感情を浴びると辛さ倍増な能力を持つ主人公と、めちゃくちゃ優しいのに自分の感情を表現することが苦手な先輩が贈る、癒やしのほのぼのストーリー♡
すべての働く人におすすめしたい話題のラブコメ、さっそくチェックしていきましょう♫
あらすじ
場の空気が読める……というより、「他人の感情」が見える新入社員の志野。感情が見えることで、めいっぱい他人に気を使ったり、イライラや八つ当たりを受け止めたり、誰かの期待に応えようと努力しすぎたり……。ときに自分が削られていくような心の痛みを感じながら、志野はそれを、諦めに似た気持ちとともに受け入れてきました。
そんななか、新しい職場で紹介されたのが慈(うつみ)先輩。初対面から無愛想&圧が強そうだったことから、志野はブルーになりかけます。しかし、彼から出ているのは、ぽわぽわっとした喜の空気! しかも「ようこそ」の文字入りガーランドまで掲げて……! ああ、かわいいっ……♡
ハッピーな予感しかしない、お仕事系ラブ&コメディストーリー、スタートです♪
登場人物
志野聡子(しの さとこ):新入社員。他人の感情が空気となって見える特殊能力を持つ。空気が見えすぎて、いつも先回りして気を使ってしまう。
慈恭二郎(うつみ きょうじろう):誰にでも優しく頼りになる先輩なのに、常に無愛想な表情で誤解されやすい。心の中ではとっても感情豊か。甘いものとネコが好き。
みどころポイント
テンポがいい軽快なラブコメとして楽しめる本作♪ そんな中でふと気付くのは、小さなトラウマを抱えながらも、前向きかつ優しい気持ちで日々を過ごしているという、志野と慈先輩の共通点です。
それぞれの立場から、お互いを思いやる気持ちを感じて思わずキュン♡となるポイントを紐解いてみましょう♪
慈先輩を傷つけないために、一歩を踏み出す志野
1話目の初登場から、何やら硬い表情で自己紹介する志野。まるで自分に「心を強く持って!」と言い聞かせているかのようです。
最初に挨拶した先輩からは「喜び」のフサフサが出ているのを見て、ほっと一安心。そうですよね、目の前の人が自分に対してどう思っているのかが見えるって、メンタルを強く持っていないと、しんどみが増しますよね(悲)。
その次に紹介されたのは、表情筋のひとつも動かさず、「圧。」としか形容できない無愛想な慈先輩。志野は一瞬、「私の社会人生活早々詰んだ…」と諦めの表情を見せます。
しかし、そのとき志野は見たのです。慈先輩の周りで大歓迎の乱舞をする、大量の「喜」のポワポワたちを♡
それだけではありません。志野がイライラした上司から理不尽な攻撃を受けているときは自ら矢面に立って助けてくれたり、志野が彼のことを力いっぱい褒めているのを聞いて、わずかに赤面&周りのパヤパヤが大喜びの大疾走となったり(笑)。慈先輩の内側、どこを探しても、優しさと頼りがいとかわいいしか詰まっていない……!
「波風立てずに察していれば喜ばれるから、いつも空気を『読んで』動いている」
これまではそんな生き方をしてきた志野でしたが、慈先輩が傷ついている空気を察したときには思わず感情的になってかばおうとするなど、自らの殻を破る姿も見られます♡
伝えたい気持ちが生まれてきて、一歩を踏み出す慈先輩
とにかく無表情&黙っているとちょっと険しめな顔なので、周りの人からは何を考えているのかわからないと敬遠されがちな慈先輩。だけどその内側は、ネコとスイーツが好きで、面倒見が良くて、人を喜ばせたくて、だけどどうしたらいいのかわからない……とても不器用でシンプル、そしてあたたかい人♡
そんな慈先輩ですが、実は引きずっている過去があります。かつて教育係をまかされた新入社員から「雑談も許さない厳しい先輩」という誤解を受けて、信頼関係の構築に失敗。慈先輩は後輩をゆっくり着実に育てるつもりだったのですが、後輩は「俺も評価してくれる人の下で働きたいんで」と転属を急ぎます。その結果、重大なミスを犯し退職となってしまいました。
そのことがずっと心の傷として残っていて、「俺なんかには勿体ない」などと自分を卑下する言葉も……。
でも、志野との出会いは慈先輩にとって驚きの連続! 彼女は他の人のように自分を怖がらず、とても慕ってくれます。なんなら「喜んでいる」「照れている」「心配している」「ひもじい」など感情の機微まで、彼女は正確に読み取ってくれるのです。
「彼女といると、まるで自分がまともな人間になったように思えてしまう」
そんなふうに感じるようになった慈先輩は、自分の気持を表現する言葉を口にするようになります。
「相談してくれてありがとう」
「がんばったね」
「志野さんと来られてよかったよ」
ううっ、尊い……! 本当に優しさしかない、ステキな先輩なのです……!
ふたりを取り巻く人々も……♪ やさしい世界がここにはある!
志野と慈先輩を取り巻く世界も、ほのぼのしていて優しい気持ちになります♡
まず、慈先輩の同僚や上司。慈先輩が無愛想なので志野が怖がっているのではと心配して、「あいつは顔は怖いけど悪いやつじゃなくて」と一生懸命フォロー!
志野がヘルプに入った三課の主任も、最初は頭上にトゲトゲをまとわせながら、高圧的な笑顔でダメ出しをしていました。しかし、自分の勘違いで志野に無理をさせていたと気付いてからは、謝罪とねぎらいの言葉を口にします。
また、志野の友達の怜ちゃんは、志野の体質を知っていながら変わらずに接してくれる存在。学生時代の志野が、ひとりでいろいろな思いを溜め込んでいたのを知った上で見守ってくれている、大切な友達なのです♡
PVをチェック!
作者の鳥原習先生がSNSに投稿していたことで話題となった本作。2022年には累計部数10万部突破を記念してPVが制作されました♡ 志野のCVは香里有佐さん、慈先輩のCVは島﨑信長さんが担当され、チャーミングで尊い作品に仕上がっています♪
まとめ
どこを探しても優しさしかないオフィスラブコメ『空気が「読める」新入社員と無愛想な先輩』、いかがでしたか?
慈先輩の貴重な照れ笑顔が見られる「年末休みのある日の話」や、ケーキバイキングの帰り道の話など、コミックス1巻には合計20ページ以上の描き下ろしも収録! 読み応えたっぷりです♡
2024年4月には累計45万部を突破し、勢いが止まりません!
コミックスは5巻まで発売しており、物語は現在も連載中♪ キュンとしたいときはもちろん、ちょっと疲れたときや癒やされたいときなど、ぜひお読みくださいね♡