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『虫かぶり姫』次期お妃候補に選ばれたのは、本の虫の侯爵令嬢!?

少女漫画レビュー
『虫かぶり姫』表紙
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

みなさん、最近本は読んでいますか?

今回ご紹介するのは『小説家になろう』から生まれた由唯先生による人気ファンタジーで、シリーズ累計420万部を突破し、2022年にはアニメ化もして話題を呼んだ『虫かぶり姫』のコミカライズです!

本が大好きすぎて「虫かぶり姫」と呼ばれる令嬢がひょんなことから王族の第一継承者と婚約し、自覚もないままにこれまで本から得た教養を携えて王妃に相応しい女性へと成長していくさまを、喜久田ゆい先生の美しく繊細なタッチで描いた本作。

活字離れと言われる昨今、読書を通じて得た知識や教養が自身を救ってくれるという本の素晴らしさも再認識できる作品で、世の「本好きさん」にもぜひ読んで欲しい一作です。

それでは早速あらすじからご紹介しましょう!!

あらすじ

幼いころに母を亡くしたエリアーナは、父や兄と並んで「三度の飯より本が好き」というベルンシュタイン家の血を受け継いだ侯爵家令嬢。
ドレスや宝石よりも本が好きな彼女は、周囲から「虫かぶり姫」と呼ばれていました。

本が好きすぎて「虫かぶり姫」と呼ばれるヒロイン・エリアーナ
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

ある日のこと、彼女は突然サウズリンド王国の第一位継承者クリストファーから婚約を求められます。

エリアーナに婚約を申し出るクリストファー王子
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

予想外の展開に驚くエリアーナでしたが、ベルンシュタイン家がどの派閥にも属さず、父も兄も権力ごとには興味を持っていないなど、彼女が婚約者として都合の良い存在であることを瞬時に理解し、これは「取引」だと察します。

さらにクリストファーは「私の婚約者になれば読書の時間が増えるよ」「王宮書庫室への出入りは自由」といったエリアーナの読書好きの心をくすぐるような条件を並べ、その言葉に瞳をキラキラと輝かせたエリアーナはその場でまたとない破格の申し出を受けるのでした。

では婚約成立だね
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

それから4年──。
クリストファーはエリアーナとの約束を守り、彼女は見せかけの婚約者として読書三昧の日々を送りながら城内の者たちに大切にされ、彼らとも友好的な関係を築いていました。

もちろん恋愛感情はナシ(!?)のプラトニックな関係です。いつかは終わりが来る取引とは思いながらも、暖かい日々に愛着を抱いていたある日、アイリーン・パルカスという子爵令嬢が行儀見習いとして後宮に現れます。

突如現れた子爵令嬢アイリーン
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

彼女が現れてからというもの城内の空気が変わり、これまで親しくしていた人たちの態度もどこか変わったようで…!?

エリアーナの暖かい居場所はどうなってしまうのか? クリストファーとの関係は──!?

見どころポイント

それでは本作の見どころポイントを見て行きましょう!

ポイント1. 実はお后に適任!? ヒロイン・エリアーナの魅力

ひとつ目のおすすめポイントはなんと言ってもヒロイン・エリアーナ!

誰もが自分自身を客観的に見ることはできないものですが、彼女の魅力はまさにそこ。「自身の価値に無自覚なところ」です。

「ぼんやりとした色合いの金髪」に「はっきりとしない灰色の瞳」という自身の容姿を、本人は「一般的にはあまり好ましいものではありません」と評します。しかし、傍から見ればその容姿はかえって浮世離れや儚さを感じさせますし、喜久田ゆい先生のタッチもエリアーナに見事にハマっていることもあり、「虫かぶり姫」と呼ばれる彼女が城内では「妖精姫」と呼ばれているのも頷けます。

自分の容姿が一般的には好ましくないものだと思い込んでいるエリアーナ
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

メイドとの会話の中でも彼女のことを「こんな美しいお嬢様」と言うシーンも登場しますから、エリアーナが自身の容姿に無自覚なだけということがわかります。

また、本が大好きなエリアーナ。実際に本を読むメリットには、創造力や広い視野、さまざまな価値観や論理的思考が育まれることなどが挙げられますが、エリアーナも日ごろから理性的で物事を分析する癖があるように見えます。

そして何と言っても本を読む一番のメリットは知識や教養が身につくこと! 例に漏れず、エリアーナの中にはこれまで読んできた本から得た膨大な知識が詰まっています。その知識がどれほどの国益になることか! 

彼女にとっては、本好きの趣味が高じただけのことかもしれません。
ですがそれが横領事件を発覚させたり、料理人たちのやる気を育てたり、新種の薬草発見に貢献したりと、知らずのうちに国のためとなっていたのです!

本人は気付いていなかったのがこれまたいいところ♡ 「虫かぶり姫」の本領発揮も無自覚だったというのが微笑ましいですね♪

自分が知らずのうちに残した功績を周囲から称賛され目が回るエリアーナ
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

知識は人を羽ばたかせるための翼になりますし、世の中の荒波に流されないための錨(いかり)にもなります。ただし、世の中には知識や教養ではどうにもならないことがあります。それは人の心

これから知りもしなかった「恋」を知り、頭でっかちになりがちな自分に足りなかったものをどんどん身につけて、さらに魅力的な女性へとなっていくことでしょう♪

ポイント2. 眼識もあるスパダリ!? 理想の王子・クリストファー

続いてオススメしたいのは、「こんなパーフェクトな男子いますか!?」と、机を叩いて世に問いたいほどのスパダリ王子・クリストファーです! 

まずはエリアーナを婚約者に選ぶというだけで女を見る目があるのはもちろんですが、単刀直入に「私と婚約してほしいんだ」と告げるファースト・インプレッションの良さ! 回りくどくなくていいっ!

キラキラとまばゆい姿に群がる女性も多いことでしょう。ですが浮ついた姿は微塵もなく、高圧的な態度もナッシング! しかも出してきた条件が読書し放題、「あなたの自由の時間を守って見せよう 必ず」なんて言われた暁には、誰もが即答でイエスですよ!!

あなたの自由の時間を守ってみせよう 必ず
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

もともと貴族なので3食昼寝付きは当たり前としても、王族で無敵の笑顔を持つイケメン、読書し放題(しかも王宮書庫室の出入り可)と、こんな優良物件は他にはないと思いますが、まだまだこんなの序の口です。

輝く笑顔のクリストファー
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

明らかにエリアーナのことが好きなのにむやみに手を出さないし、エリアーナが政治の話に口出ししても怒るどころか意見を尊重、おまけに部下たちもイケメン揃いです。
て、天国……♡

しかもクリストファー、繊細な気遣いが心憎いんです♪ ある時はエリアーナが欲しがっていたものを覚えていて入手するために密かに手を尽くしてくれたり、また、とある事件のときはスカッとさせてくれるだけじゃなく、まずエリアーナの抱えていた重そうな荷物を半分持ってあげてから悪いヤツを弾劾したり……!

エリアーナの抱える重そうな荷物を半分持つクリストファー
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

おっと、これ以上の詳細はこれからコミックを読む人の楽しみを奪いかねないので割愛しますが、クリストファーが起こすアクションの前後によく気をつけて、彼のきめ細やかな心遣いにぜひ注目してみてほしいっ! 惚れますから!!

エリアーナを見初めた理由は1巻ではまだ語られていませんが、この後明らかになりそうなので、早く理由を知りたいところです♪

ポイント3. クリストファーをとりまくイケメンたち

3つ目のポイントには、先にも挙げたクリストファーをとりまくイケメンたちを挙げさせていただきます!

アレクセイ・シュトラッサー
氷の貴公子、アレクセイ・シュトラッサー
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

クールな態度で「氷の貴公子」と囁かれる公爵家令息。敏腕秘書的なクリストファーの右腕!

グレン・アイゼナッハ
赤髪の騎士、グレン・アイゼナッハ
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

クリストファーの護衛を務める近衛騎士団の騎士。明るく人懐こい笑顔で「赤髪の騎士」と男女に人気♪

テオドール
現国王陛下の弟でクリストファーの叔父でもあるテオドール
引用元:『虫かぶり姫』
©喜久田ゆい/由唯/椎名咲月/一迅社

王宮書庫室の管理責任者。現国王陛下の弟でクリストファーの叔父。渋くて寛容な大人の魅力を備えた紳士で、クリストファーを面白がる姿も憎めないイケオジ♡

どのイケメンたちも頭脳明晰、才色兼備──クリストファーになくてはならない優秀な人物たちです。彼らを中心にクリストファーの信頼を得る部下たちによって守られているサウズリンド王国ですから、国民たちはさぞ頼もしい気持ちでしょう!

この後も物語が進んでいくとさらにいろいろな人たちが登場することになると思うので、どんな魅力的な登場人物たちが現れるのか楽しみですね♪

まとめ

いかがでしたか?

『虫かぶり姫』は現在9巻まで発売中!! 

最初は本にしか興味がなく婚約もかりそめのものだと思い込んでいたエリアーナですが、恋を知って今までの自分にはなかった感情と向き合い、少しずつクリストファーと距離を縮めていく様子は、微笑ましくもたくましくもあり、つい応援したくなってしまいます。

アニメが好きな方も、原作小説が好きな方も、原作と漫画の世界観が溶け合うようにマッチしたこのコミカライズから目が離せないはずです! ぜひ本作をチェックしてみてくださいね♪

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