「自己肯定感の低さ」を悩みとして抱えている人も多いのではないでしょうか。
自己肯定感が低いと、他人と自分を比べてしまったり、自覚がなくてもつい「自分なんて」と口にしてしまったり……。
今回ご紹介するのは、自分に自信がない主人公がヒロインの『そんな顔して、誘ってる?~溺愛社長と身代わりお見合い結婚!?~』(七月モトミ)です。
あらすじ
主人公は気弱なOL、橘美結(たちばな みゆ)。
言いたいことがあっても、それをはっきり言えるタイプではありません。そして職場でも雑用を任されがちに。
そんな彼女の楽しみは、自社のイケメン社長、桜庭正樹(さくらば まさき)を遠巻きに見ること。
「イケメン社長」にガンガンアタックできるのは、自分に自信がある人だけなんですよね……美結は当然、声をかけることもできません。
そんなある日、双子の姉・美咲(みさき)の代わりにお見合いに出席することになった美結。
美咲は言いたいことをはっきりと言う、美結とは真逆のタイプ。
仲は良いけれど、美結は何かと美咲に面倒事を押し付けられてしまいます。
お見合い当日、渋々向かったその先には、何と桜庭の姿が!
そう、自社の社長がお見合い相手だったのです。
自分が社員だと絶対にバレたくない美結は、気を張りすぎて、ガッチガチに。
さらに運悪く、会社の同僚・小野(おの)の姿を見かけ、ピンチ!
美結はとっさに桜庭と物置部屋に隠れます。
狭い部屋で桜庭と密着……。
他意はなかったのに「もしかしてこういうことしたかった?」と桜庭にキスをされて……!?
物語のポイント
以下に、本作の見どころポイントをご紹介します!
物置事件をきっかけに、少しずつ惹かれ合っていくふたり
「もしかしてこういうことしたかった?」と物置部屋で聞かれ、慌てて「そんなわけ!」と否定する美結。
そうです、そんなわけないんです。憧れてはいるけれど、桜庭とどうにかなりたいわけではない。
それよりも、同僚に、自分が姉に成り代わってお見合い現場にいるということが、知られてしまう方がマズイのです。
一方の桜庭は、女性に迫られ慣れています。
お見合い中の美結はよそよそしかったけれど、急に暗くて狭い部屋に連れ込まれたら「ああ、なるほど、そういうことね」と誤解するのもいたしかたない……ことはないのでしょうが、経験則からキスぐらいはしてしまうのかもしれません(実際はもっとすごいことをしちゃいますが)。
ただ、そのあとの美結のピュアな反応から、連れ込まれたのはアクシデントだったということに気が付きます。
モテる自分が誘ってものってこない。むしろ避けられてしまう始末。
こんな経験ははじめてで、その後、思わず家にまで押しかけてしまう桜庭。
そんなこんなで距離を縮めていくうちに、桜庭は純粋で愛らしい美結に、どんどんのめり込んでいきます。
とは言え、美結は美咲のフリをしているわけですから、話はややこしくなっていくばかり。うまくいくものもうまくいきません。
家族関係
仲が良さそうに見える橘家では、どうやら自由奔放な美咲が家族の中心となっているよう。
手のかかる子のほうがかわいいというものなのでしょうか。
そのような環境で育ったせいか、美結はなんでも自分でできるようになっていきます。
姉の存在が大きいせいで控えめになり、断るのも下手、結局何かと面倒を背負い込まされる……だからって代わりにお見合いに出させるってどうなんだ!という話ですが。
この橘家の関係性については、のちに深堀りされることになります。
一方の桜庭には、家庭的な空気に飢えているような場面が。
複雑すぎる家庭環境ではないけれど、ふたりそれぞれ、家族関係で得られなかったものをお互いで埋めているようにも感じられます。
恋のライバル出現
両片想いの桜庭と美結ですが、出会いがややこしい状況だったため、なかなか「恋人関係」に発展しません。
そうしている間に、美結のことが好きな同僚・小野が少しずつ距離を縮めようと試みます。
小野はモテるものの、不愛想な女性不信。だからなのか? 美結にアプローチすることができずにいました。
振り返ると第1話から美結と親しげに話している描写があるので、ずっとそばにはいたのでしょう。
不愛想かつ思ったことをはっきりと言う小野ですが、それは裏表がないということ。でも恋愛には奥手。
桜庭と小野、どっちのほうが好みだろう……と、考えながら読むのも楽しいかもしれません。
まとめ
人と付き合うことに対して臆病な登場人物が目立つ本作。だからこそ、心から信頼できる人、愛せる人に出会えたときの溺愛ぶりには思わずほっこりしてしまいます。
特に、桜庭のデレっぷりにご注目!
今後は姉の美咲も関わってきて、さらにややこしい展開に!
もつれ合う人間関係に注目しながら、ぜひ読み進めてみてくださいね。
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