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『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』マンガ的な表現とリアルな描写が同居したオフィスラブ

TL漫画レビュー
『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』1巻
引用元:『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』
© 想偲 / 祥伝社

めちゃくちゃ面白いTL漫画を発見してしまいました……。

タイトルは『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』(想偲)

想偲先生は本作がデビュー作で、TLも初めてとのこと。

しかし絵の綺麗さ、ストーリー展開のドライブ感、TLならではの創意工夫のある性描写など、デビュー作とは思えない面白さで読者を魅了してきます。

その見どころをしっかりご紹介しますね♪

あらすじ

美人でスタイル抜群ですが、恋愛下手な社内SE・天倉佳恋(あまくら かれん)

主人公の天倉佳恋。社内では頼れるSEだが、恋愛下手で悩んでいる。
引用元:『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』
© 想偲 / アイプロダクション

会社で頼られポジションの彼女は、仕事の愚痴を居酒屋で発散していました。そこで出会ったのが、常連客のれーさん。じれじれの両片想いだったふたりは、ついに告白して付き合うことに!

初めて結ばれた夜、れーさんとの行為が濃厚すぎて翻弄される佳恋。

そして翌日、れーさんが実は佳恋と同じ会社の有望株・愛垣怜慈(あいがき れいじ)だったことが判明して、意図せず社内恋愛が始まってしまい……。

れーさんこと愛垣怜慈。
引用元:『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』
© 想偲 / アイプロダクション

聖母のような慈愛に満ちた微笑みのSっ気男子と、恋愛に不器用な美女のオフィスラブが描かれていきます。

見どころポイント

『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』の見どころは、“マンガらしさ”と“リアルさ”が同居しているところ!

3つのポイントにまとめましたのでチェックしてみてください。

マンガでよくいる敬語キャラ、でも怜慈の敬語には理由があった!

怜慈は誰にでも敬語を使うキャラクターです。

敬語キャラは丁寧で物腰の柔らかいイメージがありますよね。でも実はヤクザだったり武闘派だったり……といったギャップがあることも多く、「敬語キャラ大好き!」という人もたくさんいるのではないでしょうか。

怜慈はエリートサラリーマンであり、ヤクザなどの“裏稼業”をしているわけではありませんが、実はSっ気が強く、夜の行為はかなり濃厚!

意地悪な焦らし、道具を使った行為、激つよな性欲。

聖母のような優しい顔立ちと言葉遣いからは想像もできない、悪魔的な溺愛Hで佳恋を翻弄します。

初めて結ばれた夜の怜慈。
引用元:『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』
© 想偲 / アイプロダクション

そういった丁寧な喋り方と支配的な行為のギャップもグッときますが、注目すべきは彼が敬語を使っている理由。

完璧主義で理想を押し付けてくる両親により、誰にでも敬語を使うように教育されていたのです。

今まで「敬語キャラが敬語を使う理由」を考えたことがなかったので、「そこが描かれているの新鮮!」と驚きました。

抑圧されて育った怜慈がどうやってその支配から脱し、佳恋に出会ってなぜ惹かれたのかがしっかり描かれているのもポイント。怜慈の人となりや内面がわかるエピソードで、より彼のことを好きになってしまいます。

“恋愛下手”な佳恋が、甘えられずに身構えてしまう描写のうまさ

主人公の佳恋は、過去に付き合っていた男性に「仕事人間のカタブツ女で可愛げがない」と言われ、いつも浮気をされてフラれてきました(なんてひどいことを言う彼氏!)。

そのせいで自分は恋愛が下手だと認識しており、「恋人は作らない」と決めていたようです。

第1話を読むと、意識し合っている佳恋と怜慈が、お互いの恋人の有無や恋愛経験を探り探り会話している描写がとてもリアルで。「れーさんみたいな人と結婚したら幸せだろうなぁと思っちゃいます」なんて言葉をポロッとこぼし、怜慈の恋心にクリーンヒットさせていました。

その後トントン拍子に恋人になったこともあり、「佳恋、別に恋愛下手じゃないのでは?」なんて思っていたんですが、第2話を読んで分かりました。

佳恋、恋人である怜慈にすごく身構えてるんです。

「社内で恋人だっていうの 絶対にバラさないでくれますか?」とムスッと見える表情で言ったり、同棲したいという怜慈に対し「結婚を前提にして考えるのはやめてください…」と断ったり。

恋愛下手で甘えられない佳恋。
引用元:『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』
© 想偲 / アイプロダクション

内心では怜慈のために新しい下着を買おうと思ったり、彼が家に来るから簡素すぎる自室の雰囲気を変えようとするかわいい女性なのに、口から出る言葉はちょっとトゲトゲしてる。

過去の経験から怜慈を信用しておらず、フラれることを前提にした言動をとってしまいます。

恋愛下手……というか彼氏に甘えられずにバリアを張ってしまう女性の描写が、すごくリアルで感動しました。「こういう女友達、いる!」と実の友人に思いを馳せてしまうほど(笑)。

そんな佳恋が、恥ずかしがりながらも素直に気持ちを吐露した第3話は必見です!

甘え下手な彼女の勇気、ぜひ見届けてください。

ストーリー展開の早さとドライブ感が読んでいて楽しい!

本作はかなりテンポ良く描かれています。

それがはっきりわかるのが第1話。

1P目の過激な行為で読者をグッと掴み、一転して2〜3P目で佳恋が頼られる社会人であることを描写。4〜5P目でもう怜慈と恋愛的な探り合いをし、その後お互い告白……とギュッと展開を詰め込んでいるのでページをめくる手が止まりません。

第1話の4〜5P目。2人の距離感がわかる。
引用元:『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』
© 想偲 / アイプロダクション

「スピーディな展開で飽きさせない」という常套句がありますが、まさにそれ。

第2話、第3話もふたりの仲がどんどん進展していきます。

1巻のあとがきを読んだところ、当初は第3話で終わる予定だったとのこと。だからこそテンポがいいストーリー展開なんだ!と納得しました。

では連載が延長された第4話以降はゆっくりするの?と思う方もいるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。

むしろ第6話で怜慈のとある秘密が明かされ、ドライブ感が加速しました(笑)。

怜慈が佳恋に隠していた秘密について、「家族の話が重かったから、その確執とかかな……?」と思っていたのですが、まったく予想だにしない方向の秘密だったのでいい意味で驚きました。

確かに伏線はたくさんあった……! でも気づかなかった……!

未読の方には本編を読んで驚いてほしいので、その秘密は書かないでおきます。

第6話は1巻に収録されていますので、気になる人はチェックしてみてください♪

まとめ

『彼の性癖は歪んでる。〜聖母系エリートの悪魔的とろとろ溺愛セックス〜』は、恋人とのコミュニケーションに悩んでいる男女が、お互いに真正面から向き合おうとするラブストーリー。

マンガ的な表現もリアルな描写も楽しめる、魅力的なTLです。

単行本は現在1巻が発売中。

ふたりの関係がどうなっていくのか、これからの展開も期待しています!

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Writer

ティーンズラブ小説・マンガ、海外ロマンス作品など大人のラブストーリーを読み漁っています。自分のブログでも書評・レビューを公開中。

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