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『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』変わり者と呼ばれる夫の、愛の言葉が素敵すぎる!

少女漫画レビュー
『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』の1巻の表紙画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

「結婚」――それは愛し愛された者同士がたどり着くひとつの形。

しかし相手のことをよく知らずに初めましてで結婚というケースも、かつてはしばしばありました。

そして中には、結婚してからその関係が深まっていく夫婦も。

今回はそんな結婚がきっかけで愛する人に出会ったふたりの物語『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』をご紹介します!

あらすじ

時は大正8年。主人公は一度結婚に失敗している出戻り女中のきぬ

ある日女中として働く屋敷の主人から、君の嫁ぎ先が決まったと言われます。

きぬの画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

幸せになって貰いたいという主人の好意を無下にはできず、数週間後、きぬは嫁ぎ先となる言語学者・眞富五百里(さねとみ いおり)のもとへと向かったのでした。

五百里の画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

五百里はきぬよりもひとまわり年上で、変わり者と噂の人物。

噂に違わず、同居初日にもかかわらず彼は、書斎に引きこもったまま嫁いできたきぬとチラリとしか顔を合わせません。

出戻りで年齢も二十半ばになっていることに劣等感を抱くきぬは、うまくやっていけるかどうか不安でいっぱい。

ぎこちなく始まったふたりの結婚生活の行方は果たして――!?

物語の見どころ

見ず知らずの男性のもとに嫁ぐことになったきぬ。

不安は募るばかりですが、お互いのことを知らなければ関係性は築けないものです。

どのようにしてきぬと五百里が夫婦になっていくのか、以下に、物語の見どころとともにチェックしていきましょう!

変わり者・五百里のナチュラルで男前なセリフが罪!

嫁いで来た初日にきぬは、五百里からこう言われます。

急逝した母の四十九日が明けるまで婚礼は挙げられない、だから君は好きにしてくれていい……。

きぬに「君は好きにしてくれていいよ」と伝える五百里の画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

どこか突き放すような物言いに、「出ていけ」と言われているようで寂しい気持ちになるきぬ。

しかし実のところ、言葉足らずでお喋りが苦手なだけだということが、五百里が辞典の監修などで一緒に仕事をしている出版社勤務の谷川(たにがわ)の証言から明らかになります。

お喋りが苦手と言うより、思ったことを取り繕わずに素直に言葉にしてしまうのでしょう。

その証拠に、きぬの笑顔を見た五百里は「花が綻ぶようとは正に君の笑顔の事だね」と、サラリ。

きぬに「花が綻ぶようとは正に君の笑顔の事だね」と伝える五百里の画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

素敵なセリフですよね♡

キザな言葉に聞こえないのは、本人はいたって大真面目だから!

その言葉がきぬの機嫌をとるためではなく本心で言っているのだとわかるのは、彼が常に偽りのない言葉を発しているからでしょう。

さらにきぬが五百里に褒められ困った笑顔を見せた際には、「君は困った笑顔でも綺麗なんだね」とも伝えます。

どうやら五百里は、きぬの笑顔が好きなよう。

きぬの笑顔を見てほころぶ彼の様子に、注目してみてください♪

自信がないふたりが夫婦になったら

出戻りで二十代半ば、さらに前の嫁ぎ先で「子供もできないようじゃ家には置いとけない」と言われたきぬは、自身に劣等感を抱いています。

一方の五百里も、人として足りない部分を自覚している様子。

書物を読むこと以外に興味がなかった彼は「生存に必要な食う寝る以外何もできない」と言い、常識も人付き合いもない自分のせいで、きぬが周りから嫌味を言われたのではないかと心配する場面も。

自分のせいできぬが嫌味を言われたのではないかと心配する五百里の画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

ふたりそろって自己肯定感が低いゆえに、無意識のうちに自分は相手にとって役不足だと思っているのです……。

そのまますれ違ってしまいそうな展開ですが、きぬと五百里の関係においての良い点は、相手をすぐに肯定できること◎

五百里に褒められ照れるきぬの画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

そしてそれができるのは、相手のことをきちんと見ているからですよね。

あなたは素敵な人なんだ、と言葉にできる強さがふたりの距離をどんどん縮めていきます♪

夫婦がいいものだと感じさせてくれる

お互いのことを何も知らずに始まったふたりの関係。

一日中書斎に籠って仕事をしていることも多い五百里ですが、一緒に食事を摂ったり、合間時間で話しをしたり、ふたりは少しずつ時間を共有していきます。

お互いについて知り、絆を深めていく中で徐々に想いも募っていき……!

きぬは自然と、仕事をする五百里の力になりたいと思うようになります。

そしてある日、忙しすぎて倒れた五百里の代わりに、出版社に原稿を届けることを申し出ます!

出版社に原稿を届けることを申し出るきぬの画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

意気揚々と家を出たものの、道に迷ってなかなか目的地にたどり着かなかったり、財布を落としたり、帰路で酔っ払いたちに絡まれたりと、散々な目に!

連れて行かれそうになったところに五百里が現れ大事には至りませんが、きぬは「役立たず」と自分を責めます。

そんな彼女を見て、五百里は“きぬの役割”を伝えるのでした。

「…きぬさんが僕の側にいてくれれば それだけで良いんだ」と伝える五百里の画像
引用元:『出戻り女中と奇人学者のと或る結婚』© ≠35 / ぶんか社

「…きぬさんが僕の側にいてくれれば それだけで良いんだ」

こんな愛を感じられる言葉があるでしょうか……!

もう、プロポーズでしかない(夫婦だけど)! 笑顔からにじみ出る色気も素敵です!!

そしてこの後五百里は、例の“きぬの笑顔好き”を発揮するのでした♡

きゅんとする展開になっているので、ぜひ本編でご確認ください♪

まとめ

ふたりが歩み寄っていく姿にほっこりするのはもちろんのこと、注目してほしいのは五百里の言葉。

最初はきぬが誤解してしまうような言葉を投げかけていた五百里ですが、彼女と話をするうちに優しい言葉が増えていきます。

なお、本作は全2巻で完結しています!

不器用なふたりが家族になっていく様子を、ぜひ最後まで追いかけてみてくださいね♪

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