SNSのタイムラインで毎日流れてくる、大河の如く膨大なフォロワーさんたちの推しポスト。
それらをなんとなく読み流しているうちに、たとえ公式コンテンツを見たことがなかったとしても「内容がうっすらわかる」みたいな状態になっていること、ありませんか?
『乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけどフォロワーが布教してた知識しかない』(やちうお)の主人公マルグリットは、まさにそんな状態!
ひょんなことから前世の記憶を取り戻し、自分がゲームの中に転生したことを知ったのですが、残念なことにここは「エグいバッドエンドが多くて最高!」とファンの間で称賛されている乙女ゲームの世界(汗)。
個性的な攻略対象たちが現れるたび、マルグリットの脳裏には、公式とも妄想ともつかない前世に見たSNSのポストが断片的に浮かびます。
いっそのこと、まったく知識がないゲームのほうがまだマシだったかもと思われる転生物語の本作。盛りだくさんな見どころをチェックしていきましょう!
あらすじ
悪役令嬢マルグリットは、頭を打って前世の記憶を取り戻し、自分が乙女ゲーム「花冠のアポストル」の中に転生したことを知ります。このゲームは、前世でSNSのフォロワー「とりざえさん」が全力で推していた作品でしたが、マルグリットは忙しさにかまけて公式ページさえも見ていませんでした。
そんな中で思い出すのは「エグいバッドエンドが多い」というとりざえさんの言葉と、公式なのか願望なのか妄想なのかわからない、フォロワーさんたちの投稿の数々。
「優しいキャラクターが返り血を浴びて笑うファンアートは、果たしてストーリーに基づいているのか?」
「それとも、本当は優しいのに二次創作で腹黒化されているだけなのか?」
「みんなに『声が裏切りそうwww』と思われている声優がCVを務めるキャラを信じていいのか?」
なまじ中途半端な知識があるばかりに、誰を信じたらいいのかわからなくなります(笑)。
だけど、全員が幸せになる大団円エンドがきっとあるはず。なぜならとりざえさんの性癖は「バッドエンドがあるからハッピーエンドの輝きが増す派のバッド好き♡」だから!
まずはヒロインと正規ルートの攻略対象(誰かは不明)をハッピーエンドに導くため、マルグリットの奮闘が始まります!
登場人物
マルグリット:乙女ゲーム「花冠のアポストル」の悪役令嬢、名門魔法学園の学生。前世の記憶を取り戻し、このままだとバッドエンド不可避と実感。よし子を導き、全員がハッピーエンドになる大団円を目指す。
よし子:ゲームの主人公。魔法学園の特待生。学園中の男たちを惹きつける。とりざえさんによると「このゲームで一番あまたおかしいのは主人公」と言われるほど、攻略ルートごとのキャラデザインの振り幅が広い。
とりざえさん:マルグリットの前世のオタ友。乙女ゲーム「花冠のアポストル」略して「花スト」のコアなファンで、SNSで布教を行っていた。転生後の世界では「イマジナリーとりざえさん」が登場。
オモシロポイント
1巻に8話まで収録と、ボリュームたっぷりな作品。
「オモシロポイント」のほか、「ツッコミどころ」や「共感どころ」もたっぷりあります!
全部まとめて見ていきましょう♪
クセが強烈な攻略対象のイケメン続出!
乙女ゲーにマストな要素といえば、攻略対象のイケメン男子たち♡ このゲームにも次から次へとヒーローが登場しますが、その人たちが……ひと癖もふた癖もあるのです!
例えば王子。普段は俺様キャラですが、とりざえさんによると彼は「くっ殺ドM王子」。とあるエンドでは、闇落ちしたよし子さんに屈服し、飼われる様子が描かれています(汗)。
また、マルグリットの従兄弟のアストラは、顔良し成績よし、誰にでも優しいという攻略対象。しかし遠い前世の記憶を探ると、「ゲス顔しながら返り血浴びるファンアート」がRTされてきたことを思い出します……(滝汗)。
さらに、アストラには生き別れになった双子の弟レヴィもいて、不安要素が倍増。
お約束の「双子入れ替わりイベント」も勃発して、バッドエンドに繋がりそうなフラグが立ちまくりです……。
マルグリットに安息の日は訪れるのでしょうか?
もはや導者!? とりざえさんの存在
前世で、マルグリットのオタ友だったとりざえさん。この乙女ゲーに関するマルグリットの知識は、とりざえさんをはじめとしたフォロワーのSNSから拾ったものばかりです。
マルグリットはその断片的で偏った情報をヒントに、物語をハッピーエンド方向に進めようとします。
ところが、マルグリットの想像上のとりざえさんは「たまにさ、公式だっけ? 妄想だっけ? みたいになることない!?」とはしゃぎます。
そう、彼女は二次創作が入ったネタをちょいちょい紛れ込ませてくるクリエイティブなオタク。油断なりません。
マルグリットが尊死!? その相手とは!?
攻略対象相手にはまるで興味を示さないマルグリット。そんな彼女が涙を流して身悶えるほど興奮した人が、ただひとりいます。
それは、元神様のライファード。そしてその理由は……前世で大ファンだった咲田秋広がCV担当だから!
彼が話すたびにマルグリットは「揺り籠から墓場まで演じ分けられる…推し声優の表現力を生で浴びてる…」と、歓喜の涙を流してのたうち回る始末。
そして、咲田秋広は裏切りキャラを演じることが多い声優。よし子さんがライファードに「あなたのことを信用できません」と言っただけで「咲田秋広が声やってるだけで裏切りそうとか言うなぁ!!」と拡大解釈し、自我を失って抗議するのです……!
そんな様子を気に入ったライファ―ドはマルグリットの目指す「大団円エンド」に協力することになるのですが、これからマルグリットの悶える様子がたくさん見られると思うと楽しみですね♪
ボイスコミック動画が配信中♡
「コミックブリーゼ」の公式YouTubeチャンネル「コミックブリーゼチャンネル」より、本作のボイスコミック動画が配信されています!
マルグリットのCVは日笠陽子さんが担当♪ 漫画も面白いけれど、日笠さんの声で「強引に見えてもくっ殺ドM、顔はいいけどくっ殺ドM」などと連呼されると、それはもう異次元の面白さです☆
ボイコミでは2話の終わりまで楽しめますので、ぜひチェックしてくださいね!
まとめ
テンポがよく、ギャグ要素も満載な本作。思わず声を出して笑ってしまうので、電車の中などで読むときはご注意ください!?
『乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけどフォロワーが布教してた知識しかない』のコミックは2巻まで既刊、ストーリーは現在も連載中です♡ これからの展開、どうぞお楽しみに♪