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『侯爵令嬢は手駒を演じる』演技派侯爵令嬢が繰り広げるスリリングな潜入劇!

少女漫画レビュー
『侯爵令嬢は手駒を演じる』
引用元:『侯爵令嬢は手駒を演じる』
©SHIRAYUKI SHION・TACHIBANA CHIAKI/Frontier Works Inc.

変装を得意とする主人公が、潜入捜査で敵組織の内側に入り込み、悪事を暴く……。何やら少年漫画に出てきそうな設定ですが、実はこれ、ファンタジーな世界を舞台にした令嬢モノのストーリーなんです!

『侯爵令嬢は手駒を演じる』(漫画:白雪しおん 原作:橘千秋)は、子どものころから演じるのが得意な侯爵令嬢ジュリアンナが、王国の第二王子の手駒となって敵陣へ潜入し、別の役を演じながら捜査を行う物語。

変装ができるだけではなく、度胸がすわっているなど、捜査官としての素質も十分なジュリアンナ。スキルフルなヒロインが大活躍する物語が好きな人にはたまりませんね♡

演技派女優ならぬ演技派令嬢の物語、さっそく内容をチェックしてみましょう!

あらすじ

「完璧な淑女」として社交界の注目を集める、侯爵令嬢ジュリアンナ。しかしながら、優雅でしとやか、そして慎ましいその姿は、実はジュリアンナが演じている「役」に過ぎないのです。

ジュリアンナが幼い頃、病弱な弟ヴィンセントのために本の読み聞かせをしていました。最初は弟が楽しめるように登場人物になりきって本を音読していたのですが、ヴィンセントが全寮制の士官学校に入学すると、ジュリアンナは演じる相手に飢えるようになります。そこで彼女は、お屋敷の外へ飛び出して、宿屋の娘や鍛冶職人の息子など、いろいろな役柄を演じて楽しむようになりました。

ある日、ジュリアンナの元へ第二王子のエドワードから召喚状が届きます。実は7年前、エドワードがこっそり町へ出てきたときにリーアと名乗る少女に出会い、それ以来エドワードは彼女を探していたのです。最初はとぼけていたものの、動かぬ証拠を突きつけられ、自分がリーアであったことを認めたジュリアンナ。

当時彼女がした「何でも1つだけお願いを聞く」という約束を持ち出して、エドワードは「俺の手駒になってよ」と、企み感たっぷりの笑みを見せます。そして、サバト(悪魔崇拝)を行っているという王都教会への潜入捜査をジュリアンナに命じたのです!

潜入捜査へ向かうジュリアンナ
引用元:『侯爵令嬢は手駒を演じる』
©SHIRAYUKI SHION・TACHIBANA CHIAKI/Frontier Works Inc.

登場人物

ジュリアンナ・ルイス
引用元:『侯爵令嬢は手駒を演じる』
©SHIRAYUKI SHION・TACHIBANA CHIAKI/Frontier Works Inc.

ジュリアンナ・ルイス:17歳。ローランズ王国の忠臣「王家の三柱」の一つであるルイス侯爵家の令嬢。世間では「完璧な淑女」として名高いが、実際は快活で肝が座った変装の名人。

エドワード・ローランズ
引用元:『侯爵令嬢は手駒を演じる』
©SHIRAYUKI SHION・TACHIBANA CHIAKI/Frontier Works Inc.

エドワード・ローランズ:21歳。ローランズ王国の第二王子で、令嬢たちの間では「理想の王子様」と呼ばれている。しかし、優しく穏やかな姿は仮のものであり、その本性は強引なS系王子。

見どころポイント

「理想の王子様」と「完璧な淑女」としての表向きの姿を貫いているふたり。どう考えてもお似合いのカップルですが、1巻のハイライトは、なんといってもジュリアンナの潜入ミッションです!

カッコよさ全開のヒロインが繰り広げる、手に汗握る展開満載の本作。
その見どころポイントは!?

ハラハラ&ワクワク&ドキドキな潜入捜査!

幼い頃から変装してお屋敷を抜け出し、いろいろな役になりきっていたジュリアンナ。若干17歳にして演技の達人となった彼女が、王子の手駒として王都教会への潜入捜査に挑みます。王国派と敵対する教会派ですが、実はサバト(悪魔崇拝)を行っているという情報があり、その真偽を確かめるのが彼女の任務……ってそれ、相当危険なやつじゃないですか!

怪しい通路に迷い込むジュリアンナ
引用元:『侯爵令嬢は手駒を演じる』
©SHIRAYUKI SHION・TACHIBANA CHIAKI/Frontier Works Inc.

髪の色はもちろん、特殊な目薬で瞳の色まで変えて、「見習い看護師エレン」として教会内にある看護師育成機関に潜入するジュリアンナ。「末端の信者たちは純粋に信仰している」という情報の通り、看護師見習い仲間やドクターはいい人だし、教会の敷地内はいっけん、平和そのもの。しかし、封印された通路に忍び込んだジュリアンナが目撃したのは、あまりにも恐ろしい儀式だったのです……!

さらに、忍者顔負けの身体能力でジュリアンナをサポートする侍女マリー、黒づくめのドレスを纏った友人カルディアなど、魅力的なサブキャラたちも物語を華やかに彩ります♡

ジュリアンナをサポートする侍女マリー
引用元:『侯爵令嬢は手駒を演じる』
©SHIRAYUKI SHION・TACHIBANA CHIAKI/Frontier Works Inc.

エドワード王子の潔いまでの鬼畜ぶりに注目!

「理想の王子様」として令嬢たちにモテモテのエドワード王子。しかし、その裏の顔とは……。

補佐官のサイラスいわく「優しく穏やかな王子を装いながら、内心で騙された者をあざ笑う、本当にかわいくない、人を見下す少年でした」……なかなかひどい言われようです(汗)。ジュリアンナに潜入捜査を命じるときも、「嫌です」と毅然と言い放つ彼女に向かって、ドSの笑顔で「お前に拒否権はない!」! ……ここまで徹底した鬼畜ぶり、むしろ清々しいですね!

本性を現したエドワード王子
引用元:『侯爵令嬢は手駒を演じる』
©SHIRAYUKI SHION・TACHIBANA CHIAKI/Frontier Works Inc.

けれど、それを見ていたサイラスたちは
「本性丸出しでジュリアンナ嬢と楽しく会話していたくせに」
「他の令嬢の前ではあんな真っ黒な笑顔を見せませんよね?」
「あんなに嬉しそうで腹黒な顔、今まで見たことなかったぜ?」
と、ジュリアンナへの思いに無自覚なエドワードに対し、パワーワード満載でツッコミます♡

また、いつも一枚上手を行くジュリアンナに対し、王子も「俺はいつも翻弄する側だった……それがどうだ? ジュリアンナにはたやすく翻弄されてしまう」と、特別な気持ちが芽生えてきて……?
スイートな展開が待っている予感。これは期待が高まります!

ジュリアンナを意識するエドワード王子
引用元:『侯爵令嬢は手駒を演じる』
©SHIRAYUKI SHION・TACHIBANA CHIAKI/Frontier Works Inc.

まとめ

演技派侯爵令嬢が活躍する『侯爵令嬢は手駒を演じる』、いかがでしたか?
1巻の巻末には、原作者の橘千秋さんによる掌編小説「理想の王子様と完璧な淑女の物語」も収録されています(喜)! エドワード王子視点の物語なので、鬼畜キャラ好きにはたまりません♡

原作小説は4巻で堂々完結! コミックスは現在5巻まで刊行、最新6巻は2024年10月11日発売です♪ 
ぜひぜひ両方ともお楽しみくださいね!