
©︎さとまる まみ/FUSION PRODUCT
「人間の三大欲求は?」と問われたら、多くの人が即答できる「睡眠欲」「食欲」「性欲」。現在では諸説あるらしいのですが、やはり王道といえばこの3つ。
これらすべてを思うがままに得られ自由に暮らせる場所があるとしたら、みなさんはソコをなんと形容するでしょう?
…「極楽」? うーん…惜しい!
…「天国」? おっ近づいた!
……ハイッ! そこのあなた、正解!!
そうです。「楽園」!!
本作『ふみちゃんの楽園』はヒロインのふみちゃんが三大欲求を満たしまくり、まさにその「楽園」を堪能しまくっている暮らしを描いた物語。
都会の喧騒を離れ、誰にも邪魔されない空間で繰り広げられる極上スローライフ!
TL好きなら絶対にチェックしてほしい、エロスの新境地・本作の魅力を前のめりでお伝えしていきます。
まずはストーリーからご紹介していきましょう!
本作はユーザー投票企画「このTLにキュン♡ 2025」のTL漫画部門にて3位に選ばれました♪
結果発表記事では作者・さとまるまみ先生のコメントや描き下ろしイラストを掲載していますので、ぜひ以下よりチェックしてみてください!
▼「このTLにキュン♡ 2025」結果発表はコチラ!

あらすじ
明確には語られませんが、舞台は自然に囲まれたどこかの田舎。なんらかの理由で書けなくなった小説家・ふみちゃんが新天地として選んだのは、静かで豊かな自然に囲まれた田舎の古民家でした。

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同居中の彼は、隣のおばあさんにもらった野菜でごはんを作ってくれるなど、ふみちゃんの胃袋をがっつり掴んでいる様子。

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しかし掴んでいるのは胃袋だけではありません。彼はふみちゃんの性欲も掴んでいるようです♡
朝は目覚まし時計もかけずに目が覚めた時間に起き、お腹が減ったらごはんを食べ、ムラムラしたらHをする──。湧きあがった欲の赴くままに過ごせるそこは、まるで楽園。
そんな調子でふたりはのんびりゆったり、平和な日々を送っています。

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時間が止まったような、子ども時代の夏休みの続きのような、シンプルで豊かな時間を堪能するふたりの日常が、今日も静かに続いていきます。
見どころポイント
それでは本作の見どころポイントを見て行きましょう!
ポイント1. 三大欲求の「食欲」を満たす! 美味しそうなごはん
本作に登場する数々のごはん。同居している彼が作ってくれるごはんが、どれもこれも実においしそうなんです!

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ある日の朝食は大きなおにぎりに、刻んだ煮物が入った玉子焼きとセロリのスープ。ある時はバーベキューに丸ごと玉ねぎのホイル焼き。デザートにはスモアが登場したり、手づくりの月餅が登場したりと、こんなごちそうを作ってくれる同居人の彼が欲しいと切望せずにはいられません……!!
凝ったメニューばかりが登場かと思いきや、そういうわけでもないのが心憎いポイント。
読者は物語の冒頭で「スローライフの魔法」にでもかかってしまうのか、デザートとしては今ひとつな酸っぱいイチゴも、カップラーメンといった普段から身近なジャンクな食事も、登場するどれもが、たとえそれがオノマトペだけであっても、とんでもなくおいしそうに見えてしまうんです♪
例えるなら、遠足で食べるおにぎりや、海の家で食べるラーメンがとびきりおいしく感じるあの状況、「遠足の魔法」や「海辺の魔法」と完全に一致! ああ、食べる環境って大事……!!

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立ち上る湯気や、ふっくらと焼けてとろける様子、ふみちゃんがハフハフと熱そうに食事をほおばる姿に、一瞬「グルメ漫画だったっけ……?」と錯覚を起こしそうになるほど、食事のシーンはインパクト大!
物理的にも垂涎(⁉)の作品となっています♪
ポイント2. いつでもどこでも。抗“わない”「性欲」
TLには欠かせないエッチな描写もスローライフと見事に融合・共存できているのが本作最大の魅力!
“重要な”あるいは“スペシャルな”Hが描かれることが多いTL作品ですが、本作で描かれているHは「ザ・日常」。
多くのTL作品ではどこか「夜」や「背徳感」を纏うことの多いHシーンも、明るく開放的なイメージに満ちています。
田んぼや野山でのHもあれば、お風呂や部屋でのHもあり、とにかくムラっとくればいつでもどこでもHに熱中するふたり。彼らにとってHは“抗えない”ものではなく、“抗わない”もののようです♡

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もちろんどれもじっくり丁寧に濃厚なHが描かれているのですが、官能的なのになぜか癒やされる──これも「スローライフの魔法」!?
そんな中でも特筆したいのが、雨の日の定点で描かれる一日です。
朝から晩まで一日中Hに明け暮れるふたり。でもふみちゃんの顔にも、彼の顔にも画角はフォーカスしていません。まるで家の庭先に生えた大木がふたりの営みを眺めているような、ふたりが暮らす古民家の壁や柱や天井がただふたりのすることを眺めているような、そんな感覚に陥る不思議体験……!!
透明な存在となった読者にとって、ふたりの営みは遠くに見えているだけなのになぜか絶妙な生々しさを感じさせ、それがエロさへと繋がっているんです!
これはTLファンの方にぜひチェックしていただきたい名エピソード! ぜひ本編でご確認ください♡
ポイント3. 最後は「睡眠欲」! “眠る”ヒロイン・ふみちゃん
本能のままに生きるふみちゃんは、ある種、動物のよう。「動物のよう」と聞くと野性味溢れるキャラクターを想像しますが、ふみちゃんはどちらかというと小動物っぽいかもしれません。
同居人の彼がいつもおいしいごはんを作っては、ふみちゃんに食べさせている様子が描かれていますが、天真爛漫なふみちゃんは感情表現が豊かで欲望に正直、そして天然でドジっ子。そんな小動物のようなふみちゃんに、つい庇護欲が生まれて世話を焼きたくなるのも頷けます♪

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ふみちゃんは本能に従って、よく食べて、よくHして、そしてよく寝ます。
時としてヘトヘトになるまでHをして、そのまま睡魔に負けてしまうことも。「おーい」と声をかける彼の様子から、どうやらこれは一度や二度のことではなさそう……。(笑)

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「睡眠欲」にも気の向くまま身を任せているふみちゃんですが、ふとしたシーンの端々から、休業中の作家だということがうかがえます。
なんらかの理由で書けなくなったふみちゃんにとって、夏休みの続きのようなこの「楽園」は、ひと時の休息所なのかも……⁉ 実は本当のふみちゃんは、この「楽園」で羽を休めて眠っている最中なのかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
これこそが本当の「生きる」ということ!
ふみちゃんと日々を共にしている同居人の彼が恋人なのか夫なのか、はたまたただのセフレなのか、1巻ではまだ語られていません。それどころか名前すら登場しない彼に、読者はもどかしさを抱きつつも羨ましさも感じてしまうハズ!

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おいしいごはんを作ってくれて、いつでもどこでもHに応えてくれて、それでいて主義主張の圧を感じさせないほど良い距離感と存在感の彼。何より名前を呼ぶ必要がないほど、ふみちゃんの世界には自分と彼しか存在していないのです! いいなあ!!
現在発売している2巻で完結の本作。続巻ではふみちゃんや彼のことが徐々に明らかになっていくのだとは思いますが、ひとつだけハッキリしているのはふみちゃんがこの楽園をとても愛しているということ。
いつかこの楽園から出ていかなきゃならない時が来るのでしょうか。それまではこの楽園に、読者のみなさんも一緒に身を任せましょう! せっかく雑味の無い純度100%のスローライフがここにあるのですから。
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