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『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』転生しても彼の愛情は健在!?

TL漫画レビュー
『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』表紙画像
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

いつか私も素敵な王子様と出会いたい――。
恋愛ファンタジー作品を一度でも読んだ方は、そう思ったことがあるのではないでしょうか?

今回ピックアップした『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』(青日晴)は、 前世でお姫様だったヒロインが政略結婚をさせられた王子様と今世で再会するところからお話がスタート!

前世も今世も一途なヒーローと、そんな彼に心惹かれていくヒロインの恋愛模様をじっくりと追うことができちゃいます♡

あらすじ

一国の姫であるクレアは、子供のころ屋敷内で偶然出会ったキャメル王子に、恋心を寄せていました。

ところがある日、冷酷無慈悲と噂されていたジゼル王子と政略結婚をすることに。
初夜の際、彼が自身を“政治の道具”としか見ていないと思い嘆き、事前に用意していた毒を飲んで自死したのです。

「もし生まれ変わったら 次こそは愛する方と結ばれますように――」

そう願い、無事に生まれ変わったクレア……改め緑乃亜(みどり のあ)

だけど25歳となった現在、彼氏なし。
しかも勤めていた会社が倒産し、社宅から追い出され、路頭に迷ってしまいます。

そんななか乃亜の目の前に現れたのは、ジゼルの生まれ変わりである金城帝(かなしろ みかど)!?

実は前世のころから乃亜を愛していた彼は、愛するものと結ばれなければ死ぬ呪いにかかっていて……。

乃亜は一時的に生活を担保してもらいたい。帝は今度こそ彼女に愛してほしい。
異なる思いを抱くふたりの同棲生活――いざ開始です!

登場人物

緑乃亜の画像
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

緑乃亜:前世はグリンハート国の姫だったが、今世では一般家庭に生まれ、デザイナーの仕事に携わっていた。自分のことを愛してくれる人と結ばれたいと強く願っている。

金城帝の画像
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

金城帝:株式会社ワイルドイブの代表取締役。生まれ変わった後、乃亜のことをずっと探していた。今世では彼女に愛してもらうべく、ストレートに愛の言葉を伝えていくが……。

ここに注目!

乃亜と帝は、ふたりとも前世の記憶がしっかりとあります。

そのため作中では前世のシーンが描かれることもしばしば。

ここからは単行本上巻で見られる前世と今世での登場人物たちの“違い”をチェックしていきましょう!

金城帝の前世 → 今世:愛情表現が分かりやすくなった!?

帝は前世(=ジゼル)のとき、「鉄の黒薔薇」と呼ばれ周囲から恐れられていました。

クレア(=乃亜)を妻として迎えたときも、笑顔を見せずに「この国もあんたも 俺のものになったんだからな」とか「あんたには俺の跡継ぎを産んでもらうんだからな」とか俺様な発言(!?)を連発!

前世でジゼルがクレアを妻に迎えるシーン
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

そのせいで彼女に政治の道具としてしか見ていないと思われてしまいます。

でも本当は、クレアのことをしっかりと愛していました。
ただ恋愛に不器用なだけだったんです!!

だからこそ目の前でクレアが自害した後も、彼女のことが忘れられず……。

今世で彼女と運命の再会を果たした帝は、今度こそ自分の気持ちが伝わるように、はっきりと愛の言葉を告げたのでした。

今世で乃亜と再会し愛の言葉を伝える帝
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

ひとりの女性を愛し続ける帝、本当素敵すぎるっ!

そんななかで「俺はあんたが欲しい」と迫るシーンもあるのですが、そういうときの“強引さ”は前世からあまり変わっていないかも?

乃亜に迫る帝
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

また、帝は彼女が自身よりもキャメルのことを想っているのを把握しているようで、強引ながらも彼女が本気で嫌がりそうなことをしないのも良さのひとつ。

そういうシーンでにじみ出る彼の優しさには、思わず胸キュンしてしまうこと間違いなしですよ♡

緑乃亜の前世 → 今世:“因縁の相手”という認識がどんどん変化

一方、乃亜は前述した通り、前世(=クレア)ではキャメルのことが好きでした。

前世でキャメル王子を想うクレア
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

なのでジゼル(=帝)との政略結婚はまったく望んでおらず、ジゼルに向かって「私は来世で私を愛してくださる殿方と結ばれます」と宣言して自死を選ぶほど、彼のことを嫌っていました。

今世で再会した後、帝が愛するものと結ばれなければ死ぬ呪いにかかっていることや、本当は自分のことを愛してくれていたことが分かっても靡(なび)きません。

あくまで“人助けをする”という体で一時的に彼の側にいることに決めたのです!

彼の呪いの苦しみは“乃亜に触れると楽になる”ということで、身体を触ることを許したときも「最後まではしない」という約束を持ちかけたのでした。

けれども一緒に過ごし、彼のことを知っていくうちに、乃亜の心境に変化が生じてきます。

帝から「俺はここまで生きてきて今が一番幸せだよ」と言われた際には、顔を赤らめる場面も!?

さらには彼に何度も身体を触れられていくうちに「もっと…」と願うようになってしまうのでした。

帝「あんたの方から俺を欲しがってくれるのか」
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

帝の言動に振り回されていく乃亜は、かわいかったり健気だったりと見どころいっぱいなんです♪

茶利田環の前世? → 今世:面影はあっても前世の記憶はない……?

本作にはふたり以外にも注目して欲しいキャラクターが登場します。

その人物は……キャメルの生まれ変わりであろう人物・茶利田環(さりだ たまき)

乃亜は街中で彼と出会ったとき本能的にキャメルだと思いました。(見た目も性格もそっくり!!)
でも彼には前世の記憶がないようで、キャメル=環かどうかはまだ分かりません。

環「えっ…と どこかでお会いしたことがありましたか?」
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

とはいえ、環はときどき意味ありげな発言を繰り出します。

ふたりで雑談をしていた最中に、乃亜が前世の記憶があるかほんの少し探りを入れた際には、「運命の人はなかなか見つかるものじゃない」と持論を提示しつつ、彼女がときめくような言葉を口にしたのでした。

環「案外緑さんがその運命の相手だったりして」
引用元:『前世で死ぬほど嫌いだった王子は、私が愛さないと死ぬらしいです?』
© 青日晴 / CLAPコミックス

本当は前世を覚えているのか? はたまた単に天然タラシなのか?(笑)
どちらにしてもズルかっこいいですよね!

帝の写真を見た瞬間に驚いた表情を見せたシーンもあったので、もしかしたら……。

まとめ

本作は2023年12月に上・下巻が発売されたばかり!

すでに完結している作品ですので、一気に最後まで物語を楽しむことができちゃいます。

今回は上巻を振り返っていきましたが、下巻では“乃亜たちの過去”や“帝が患っている呪い”の真実が明かされますので、気になる方はぜひ読んでみてください!

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Writer

アニメ系雑誌の取材・ライティング、オーディオブックのディレクション、小説の校閲などに従事している何でも屋(※フリーランス)。

漫画を読んだり、YouTubeで動画を観たりするのが好きで、日々癒しを求めている。

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