だれもが「悪女」とささやく令嬢が、ある日突然、前向きフレンドリー女子に豹変したら!?
そもそもその「悪女エピソード」が、まさかの誤解だったら──?
今回ご紹介するのは、「小説家になろう×TOHAN第一回新人発掘コンテスト」で金賞を獲得した同名小説の待望のコミカライズ! 原作はやきいもほくほく先生、コミカライズは真夜中しんや先生が担当された「入れ替わり異世界ファンタジー」です!
さあ、さっそくストーリーをご紹介していきましょう!
あらすじ
親が遺した借金返済のため、日夜アルバイトを何個も掛け持ちして働く天野凛々(あまのりり)は、夢の中でアマリリス・リノヴェルタと名乗る女性に「あなたと私の人生を交換します」と告げられます。
聞けばアマリリスは無実の罪で投獄され、間もなく衰弱死するとのこと。彼女は凛々に自分をこんな目に遭わせた犯人を突き止め、復讐するようにと頼みます。
突然の無茶ぶりに「待っ……」と言いかけて目覚めると、凛々は夢の通り、異世界で投獄されたアマリリス自身になっていました。
着慣れないドレスが苦しくてアマリリス(凛々)は倒れてしまいますが、その瞬間、アマリリスの記憶が凛々の中に流れ込むのでした。
その記憶では、孤児院で育ったアマリリスは貴族の養女になったものの愛情をかけられず、厳しく育てられていました。
唯一優しくしてくれた第二王子ハーベイに惚れた彼女は、あらゆる手段を使って彼と婚約しますが、未来を見通す不思議な力を持つ少女シャロン・メルメダに彼を奪われたうえ、その少女の殺害未遂容疑で投獄されたのでした。
倒れたアマリリス(凛々)のコルセットの紐を切って救ったのは、駆けつけた騎士・ユリシーズ。
美貌と不器用な性格からか「悪女」としてあらぬ噂を取り沙汰され、周囲から嫌われて牢の中でも冷遇を受けていたアマリリスでしたが、凛々とスイッチしてからの彼女は持ち前のポジティブさと特技で、給仕に料理人、侍女と見る間に心を掴んでいきます。
中でもユリシーズは、これまで耳にした噂とはだいぶかけ離れたアマリリス(凛々)の様子に戸惑いながら、彼女が投獄された原因である事件そのものに疑念を抱きます。そのうえ、徐々にアマリリスに惹かれているのを感じて……。
はたして凛々は、アマリリスの願いを叶えることができるのでしょうか!?
見どころポイント
それでは本作の見どころポイントを見て行きましょう!
ポイント1. 美貌の切れ者、騎士・ユリシーズ
まずおすすめしたいのは、新たにアマリリスとなった凛々を救った騎士団長・ユリシーズです!
彼はアマリリスを捨てた第二王子ハーベイの騎士であり、幼なじみでもあります。
ハーベイ王子と親しいユリシーズは当初アマリリスのことを、これまで耳にしてきた悪評そのままの女性だと思っていたのは言うまでもありません。
しかし新アマリリスがあまりにもフレンドリーすぎて(!?)拍子抜け。
最初は脱獄するための作戦かと警戒しましたが、彼女と接するうちに本当に噂通りの悪女なのかという疑問を持ちはじめます。
そして彼女が投獄された事件にも疑念を抱くのです。
自分が騙されているかもと自問しながらも噂を鵜吞みにせず、すすんで真実を確かめようとするその姿勢……さすが有能な騎士団長!
若くして切れ者の彼は騎士たちからの人望が厚いだけでなく、その美しい容姿から女性たちからの人気も集めています。
ハーベイ王子が心移りした未来予知の力を持つ少女・シャロンは実はくせ者で、本当のお目当てはハーベイ王子ではなくユリシーズ!
しかしきゅるるんとしたシャロンにも、まったくなびかない様子のユリシーズはさすが。最高です!!
普段はあまり笑顔を見せないらしいユリシーズですが、新アマリリスの前では笑顔をよく見せてくれるのがすごくイイんです!
しかもアマリリスと一緒にいると心が安らぐとか、そばにいたいといった自分の感情を素直に認めていて、とっても好感が持てます!
真のイイ男は自分の感情にも寛容です!!
しかも新アマリリスに直接宣言するわけでもなく、彼女の気づかないところで彼女の処遇の改善や冤罪を晴らすべく策をめぐらしているユリシーズ、なんてカッコイイんでしょう!
騎士団長としての仕事もこなしてるでしょうに、多くを語らず気になる女性のために陰ながら力を尽くすなんて、イケメンにもほどがあります!!
騎士・オブ・騎士です!!
ポイント2. とんでもなく不器用!? 旧アマリリス
次に挙げたいポイントは、入れ替わり前のオリジナルのアマリリスについて!
ここでは旧アマリリスと呼ばせていただきましょう。
生まれ持った美貌ですべてを意のままにし、「悪女リリス」とも称される悪名高い彼女ですが、実は悪女なんかじゃなかったようです。
初めて凛々と出会った夢の中のシーンでは、凛々に対して無茶ぶりこそすれど、ニコッと微笑んだり「あなたなら大丈夫」と力づけるような言い回しをしたり、悪女感を感じません。
実際に凛々も悪い印象は抱いていない様子。
そして凛々に流れ込んだ記憶では、社交界であることないことささやかれていた経験や、ハーベイ王子のために変わっていこうと思っていた過去が描かれています。
傲慢な態度の彼女を嫌っていた料理人や侍女たちも、状況を紐といていくと実は彼女の伝え方が悪かっただけのようで……!?
どうやらユリシーズの「悪女などではなく とんでもなく不器用なだけなのか?」という考察が当たっていそう。
料理人への文句はハーベイ王子の体質を想って、侍女たちへのキツイ態度はいじめられていた侍女を想ってのことでした。
「こんな物 よくも出せたわね」は「この料理は殿下がアレルギーの食材よ」ってことだし、「くだらないモノを見せられて目が腐りそう」は「イジメなんてしてはいけません」ってコト……!?
ちょ、ちょっとその言い方……! なんて不器用なのでしょう!!
もしもっと早くにユリシーズと旧アマリリスが接する機会が多ければ、きっと彼は彼女の良き理解者となり、あるいは彼女の真意の通訳者となって周囲との溝が生まれずに済んだに違いありません。惜しい!
とはいえ、侍女たちは実際に「センスがない」だの「手触りが悪い」だの、支度のたびにアマリリスに文句を言われていたのだとか。
これにもひょっとして何か理由が……?
旧アマリリスについての噂の検証をぜひ、ユリシーズにひとつずつ明らかにしていって欲しいところです。
ポイント3. とにかく前向き! 人たらしの凛々改め新アマリリス!
本作ヒロインの新アマリリスですが、彼女はもともと、読者である私たちと同じ世界で暮らしていた天野凛々というフリーターです。
日々働きづめで決して楽な暮らしではなかったはずですが、彼女の性格は根っからの人たらし。
借金返済の日々を送る中でも、借金取りの強面のお兄さんに風邪ひくぞと虎の刺繍の入ったスカジャンを渡されていました。
本人が頑張り屋さんなことが伝わるからこそ、応援したいと思う人が現れるのでしょう。
異世界で新アマリリスとなった後も変わりなく、ユリシーズはもちろん、給仕に侍女に料理人など、彼女は次々と味方を増やしていきます。
もともと苦労人ということもあって、生きることに貪欲でしかもポジティブ。
残飯のようなおかずや石のようにかたいパンにも「どう食べようか」と前向き思考の凛々です。
たとえ牢獄暮らしだとしても「3食昼寝付き」とありがたがっている姿を見ると、思わず応援したくなります!
……ハッ! これが人たらしの実力! さっそく凛々に、たらされました!!
彼女のスゴイ点はそのポジティブさですが、根底にあるのは「足るを知る」ということ。
無いものにフォーカスするのではなく、今あるものにフォーカスすることで、彼女はいつもハッピーな気持ちで過ごしているのでしょう。
「足るを知る」──見習いたいところです。
原作小説もチェック
小説家になろう×TOHAN第一回新人発掘コンテストで金賞作品に輝いたやきいもほくほく先生の原作小説は、現在2巻まで発売中!
イラストは風ことら先生が手掛けています。
コミックでは描かれていないシーンも楽しめるので、気になる方はぜひこちらもチェックしてみてください!
まとめ
いかがでしたか?
漫画版『牢の中で目覚めた悪役令嬢は死にたくない ~処刑を回避したら、待っていたのは溺愛でした~』は現在2巻まで発売中♪
アマリリスとユリシーズ、それぞれがお互いへの恋心を意識しだした1巻。
2巻ではふたりの関係が新たなステージへ!
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね♡