和風シンデレラストーリーはいかがですか?
村中から虐げられてきたヒロインが、「生き神」であるヒーローと出会い、困難を乗り越え幸せを模索していく物語『夜の生き神様とすすがかぶりの乙女』。
一見王道少女漫画のような印象を受けるかもしれませんが、オリジナリティあふれる設定や伏線の数々など、どんどん面白くなるストーリー展開にいつの間にか惹きこまれてしまうはず!
時代ものならではの衣装や世界観もとても素敵な、本作の魅力を紹介してまいります♪
あらすじ
「すすかぶり」と呼ばれる宵(よい)の仕事は、「黒蝶(すす)」を集めること。
黒蝶とは災いが具現化したもので、通常の人間が触れると肌が爛)れて死んでしまうことも。
黒蝶に触れてもなんともない身体の宵の日課は、黒蝶を集めて「生き神」のお屋敷に持っていくことです。
そしてその災いを生き神が祓うことで村の平穏が保たれているのでした。
常にすすまみれの宵は、「穢れを移される」と村人たちから虐げられ、いつも独りぼっち。
年に一度の「大すす祓い」のお祭りの日も、彼女はひとり黒蝶を集めます。
しかしその祭りの最中に、これまでに見たこともないような量の黒蝶が!
さらに村外れで火事が起こります!
混乱した村人たちは宵に罵声を浴びせ、「お前がぼさっとしているから災いが起こった!!」と殴りつけます。
ぐったりとした宵……そんな彼女の前に現れたのは、生き神の夜光)でした。
彼は宵を責め立てるばかりで何もしない村人たちに対し怒りをあらわにし、「俺はもうお前達のために災いを祓わない」と宣言。
しかし宵が村の平穏のために災いを祓って欲しいと頼むと、彼はすぐに生き神の力である赤紫の炎を使って黒蝶を祓います。
災いが収まり安堵の空気が流れる中、夜光は宵に、今後の仕事はすすかぶりではなく、自分のそばにいることだと言うのでした――!
登場人物
宵):村に住む少女。災いのもと「黒蝶」を集める仕事をしているため、村人から虐げられてきた。
夜光(やこう):炎の力を持つ生き神として黒蝶を祓い、村を守ってきた。宵がそばにいることを求めている。
見どころポイント
本作は、健気で頑張り屋のヒロインと、生き神としての力を持つヒーローが登場する少女漫画です!
最初はあまりにもかわいそうな場面が続くので、読んでいてつらくなるかもしれません……。
でもどうかやめないで!!
ヒーロー夜光の溺愛とストーリーの面白さで、いつの間にか読む手が止まらなくなってしまうと思います♪
それでは早速、本作の魅力を詳しく紹介してまいりましょう!
波乱万丈の和風シンデレラストーリー!
本作の舞台はとある村。
時代背景ははっきりと描かれていませんが、現代よりも古い時代です。
物語の冒頭から「すすかぶり」として村人たちに虐げられるヒロインの宵。
あまりの酷さに読んでいて怒りを覚えますが、宵はそれでも「村の人たちに平穏に暮らして欲しい」という想いを持つ、健気で良い子です。
誰もが忌み嫌う「すすかぶり」の仕事も、「村の平穏を守る大事な役目」と強い使命感を持ってこなしていました。
夜光が宵の前に現れて「宵のためだけに災いを祓う」と宣言してからは、彼に連れられ生き神の屋敷で生活することに。
あばら屋で生活していたころと比べると、彼女の暮らしは各段に良い方向に……向かうかと思いきや、次々と問題がふりかかり、一筋縄ではいきません。
村の長・室賀)をはじめ、夜行と宵を引き離そうとする人たちが登場して……!?
ハラハラドキドキ、この先どうなるのか!といったワクワク感や、禁断の愛要素も楽しめますよ♪
「生き神」夜光の溺愛
ヒーローの夜光は炎の力を持ち、生き神として黒蝶を祓い、村を守ってきました。
生き神といっても、もとは人間。
村に祀(まつ)られている「すすかね」という女神が幼い夜光を選び力を与えたことで、彼は「生き神」となったのです。
彼は幼いころからずっと、宵のことを想っていました。
そのため彼は最初から、宵に対して好感度マックス状態! 溺愛が止まりません!!
宵が村人から虐げられていることに怒り、彼女を屋敷に迎え、着物や食べ物などを用意。
そして、もうすすかぶりの仕事をしなくても良いと、優しい言葉をかけます。
夜光は強い力を持っていて、見た目も美しく生き神としてあがめられてはいるけれど、中身は宵を愛する普通の男性なんです。
身勝手な村人たちの悪い印象が強い本作では、登場人物の中で一番人間らしい感情を持っているんじゃないかとすら思います。
そして、そんな夜光に徐々に惹かれていく宵……♡
とにかくヒーローの溺愛が見たい!という方の、期待を裏切らない作品です♪
謎や伏線が面白い!
黒蝶や生き神の存在など、独自の設定が多い本作。
序盤からしっかりと伏線が張られていて、少しずつ回収されていく過程がとても面白いです!
たとえば1巻では、夜光が宵のことを好きになったきっかけや室賀一族が宵と夜光を引き離そうとする理由が、徐々に明かされていきます。
ちなみに2巻以降では、「大すす祓い」の日に村に黒蝶が大量発生した理由や同じ生き神である鏡華)と夜光の黒蝶を祓う方法が異なる理由といった、1巻では明らかになっていない謎に迫ります!
謎が明らかになるとともに、夜光の宵に対する愛情がどんどん増していく点にも注目です♡
今後の展開
1巻は、すすかぶりの宵と生き神の夜光が非難覚悟で「一緒にいる」ことを選んだところで終わっています。
なんだか前向きで良い流れ……♡と感じますが、実のところ、さらに面白くなるのはこの後なんです!
キーワードは「生き神とすすかぶりの関係」「生き神の禁忌」「すすかぶりの持つ力」。
息をもつかせぬ展開の連続に、一気に読んでしまうこと間違いなし!
2024年2月現在、単行本2巻目は電子版のみの発売となっておりますが、ぜひチェックしてみてください!
まとめ
読めば読むほど面白くなる『夜の生き神様とすすかぶりの乙女』、いかがでしたでしょうか?
最初こそ夜光の溺愛に戸惑う宵でしたが、ふたりの関係はどんどん深まっていきます♡
少し変化球の和風ストーリーにチャレンジしてみたい方にもおすすめ!
ぜひ読んでみてくださいね♪