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『転生王女は今日も旗を叩き折る』次々とヤバい男を更生させてしまう主人公のドタバタラブコメ

少女漫画レビュー
『転生王女は今日も旗を叩き折る』1巻
引用元:『転生王女は今日も旗を叩き折る』
©TAMAOKA KAGARI・BISU/Frontier Works Inc.

マンガやアニメ、ゲームの感想でよく使う言葉「フラグが立つ」

ご存知の通り「特定のイベントが起こる条件を満たす」ことを指します。

好きなキャラクターが「この戦いが終わったら結婚しよう」なんて言って“死亡フラグ”を立てたら、もう冷や汗が止まりませんよね。

「フラグが立つ」と反対に、「フラグを折る」という言葉もあります。「特定のイベントが起こらないよう行動する」というような意味合いです。

今回ご紹介する『転生王女は今日も旗(フラグ)を叩き折る』(漫画:玉岡かがり 原作:ビス キャラクター原案:雪子)は、乙女ゲームの世界に転生した主人公が不吉なフラグをどんどんへし折るさまを描いたラブコメディ。ダメンズたちとの不穏な未来を力尽くで変えていく、爽快な物語です。

本作の魅力、たっぷりお伝えしますね!

あらすじ

前世でプレイした乙女ゲームの世界に、王女ローゼマリーとして転生した主人公。

その乙女ゲーム『裏側の世界へようこそ』、通称『ウラセカ』は超クソゲーと言われていました。

なぜなら攻略対象キャラ全員に“裏の顔”があり、しかもそれが例外なく残念な設定だったから。

さらに、非攻略対象のモブキャラに限って爽やかな紳士、面倒見の良い男前、熱血で努力家とハイスペック揃い。

ローゼマリーは平和に過ごすため、そしてあわよくば非攻略対象キャラの中でも最愛の近衛騎士団長と恋愛フラグを立てるため、残念な攻略対象たちとの不吉なフラグを叩き折ることを決意!

フラグは順調に折れていくけど、なぜか乙女ゲームのヒロインではないローゼマリーに攻略対象たちが熱視線を送ってきて……。

登場人物

主人公のローゼマリー。
引用元:『転生王女は今日も旗を叩き折る』
©TAMAOKA KAGARI・BISU/Frontier Works Inc.

ローゼマリー・フォン・ヴェルファルト:前世の記憶がある転生者で、ネーベル王国の第一王女。乙女ゲーム『ウラセカ』では、ヒロインのライバルキャラ。

ローゼマリーの推しであるレオンハルト。
引用元:『転生王女は今日も旗を叩き折る』
©TAMAOKA KAGARI・BISU/Frontier Works Inc.

レオンハルト・フォン・オルセイン:『ウラセカ』では非攻略対象キャラだが、攻略対象を抑えてダントツの一番人気を誇る騎士団長。ローゼマリーの前世での推しキャラ。

見どころポイント

本作の見どころは、愛すべき主人公のローゼマリーと、彼女を取り巻く男性キャラクター!

注目してほしいポイントをご紹介します♪

曲者揃いの攻略対象キャラが次から次へと登場!

『ウラセカ』の攻略キャラは、例外なく一風変わった設定を持っています。

例えばローゼマリーの弟・ヨハンは重度のシスコン!

本作の1ページ目からナイフを構え、「姉様は僕だけの姉様だ!!」と瞳孔の開いた危うい目で読者にインパクトを与えます。

ローゼマリーの弟・ヨハンの登場シーン。
引用元:『転生王女は今日も旗を叩き折る』
©TAMAOKA KAGARI・BISU/Frontier Works Inc.

また護衛騎士・クラウスはマゾヒストで、ゲーム内のエピソードでは侍女に頬を叩かれて「もっと…」と興奮。
そして、ヨハンを叱りつけたローゼマリーの姿にも感銘を受けてしまいます。

さらに婚約者のゲオルクはナルシスト。

主人公が前世でプレイした『ウラセカ』のゲオルクルートのエンディングでは、「綺麗だね…君の瞳に映る僕は」と結婚式で吐露しちゃう愉快な性格です(笑)。

そのほか、天才魔導師のルッツは死体愛好家なので、ゲームのバッドエンドではヒロインを殺めて氷漬けに。うっとりしながら「物言わぬ君が1番愛しい」というヒロインの人格全否定なセリフを言い放ちます。

バッドエンドでヒロインを殺めて氷漬けにする魔導師のルッツ。
引用元:『転生王女は今日も旗を叩き折る』
©TAMAOKA KAGARI・BISU/Frontier Works Inc.

このように、一癖も二癖もある攻略キャラたちが次々と登場するのが本作の面白いところ!

テンポよくヤバいキャラを見せつけられるのでページをめくる手が止まりません(笑)。

ぜひ自分のお気に入りの攻略対象を見つけてください!

前向きな主人公が、ヤバい男たちから愛される!

主人公・ローゼマリーの周りには、そんなヤバいキャラたちがうようよ!

彼女は自分の精神衛生のため、そして平和に暮らすために、彼らの不穏フラグをへし折っていく決意をします。

ヤンデレでシスコンのヨハンには自分以外の人間との交流を持たせ、ドMのクラウスには当たり障りのない対応をし、ゲオルクがナルシストになる原因を退け、ルッツが精神を病むフラグを回避する。

フラグをへし折っていく……つまり未来を前向きに変えていくローゼマリーに攻略対象キャラたちが惹かれてしまうのは自明の理ですよね♪

フラグを叩き折ることを決意するローゼマリー。
引用元:『転生王女は今日も旗を叩き折る』
©TAMAOKA KAGARI・BISU/Frontier Works Inc.

読者視点でも、目的を持って自ら行動していくローゼマリーを魅力的に感じることでしょう。

周囲の人間にいい影響を与えていく、彼女の快進撃は間違いなく本作の見どころです!

騎士団長レオンハルトとの恋の行方は……?

これまで数々の攻略対象キャラを紹介してきましたが、いったい誰がローゼマリーの本命なのか……?

それは“非”攻略対象の騎士団長レオンハルト!

『ウラセカ』の攻略キャラには残念なキャラ設定があるのですが、なんと“非”攻略対象のサブキャラは顔も性格もよく、文句のつけようがないハイスペック揃い。

普通逆でしょ!? と思うかもしれませんが、それが『ウラセカ』がクソゲーと言われてしまうゆえんです(笑)。

サブキャラの中でも騎士団長レオンハルトはダントツの人気を誇ります。ローゼマリーも前世では彼を攻略できるルートがないか探し尽くし、ゲームをフルコンプリートしてしまったほど(隠しルートはなかったそうです)。

ローゼマリーとレオンハルトが出会うシーン。
引用元:『転生王女は今日も旗を叩き折る』
©TAMAOKA KAGARI・BISU/Frontier Works Inc.

ローゼマリーにとって『ウラセカ』の世界は生きなければいけない現実。攻略対象たちのフラグを折りつつ、レオンハルトとの恋のフラグを立てるためにがんばります。

キザな紳士で、ハンサムで、フィジカルも強いレオンハルト。1巻の時点では登場シーンは少ないものの、抜群の存在感でローゼマリーと読者の心を揺さぶります。

「確かに乙女ゲーでこのキャラが攻略できなかったら『クソゲーだ!』って叫んじゃうだろうな……」と思わせる、完全無欠のヒーローをぜひチェックしてみてください!

原作小説の新刊が約1年半ぶりに発売!

『転生王女は今日も旗を叩き折る』の原作は、ビス先生の小説。

原作小説の『転生王女は今日も旗を叩き折る』1巻
引用元:『転生王女は今日も旗を叩き折る』
©BISU/Frontier Works Inc.

コミカライズと合わせて、シリーズの累計発行部数は120万部を突破!

ドラマCD化もされており、ローゼマリー役は小澤亜李さん、レオンハルト役は三木眞一郎さんがCVを担当。さらに松岡禎丞さん、小林裕介さん、天﨑滉平さん、羽多野渉さん、田村睦心さん、前内孝文さんといった人気声優陣が出演しています。

4月12日には、原作小説の約1年半ぶりの新刊となる9巻が発売される予定です。コミカライズの先の展開が知りたい人、待ちきれない人は、原作小説も要チェックです!

まとめ

フラグを折ってるだけなのに、次々とヤバい男を更生させてしまう主人公のドタバタが楽しい『転生王女は今日も旗を叩き折る』。

ローゼマリーは無事に平和な暮らしを手に入れ、レオンハルトと恋のフラグを立てることができるのか?

気になる人は本作をぜひ読んでみてくださいね。コミカライズも9巻まで発売されており、読み応え十分です!

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