
© 橘オレコ / 小学館
突然ですが、みなさんにとって、決して交わることはないだろう相手はどんな人でしょうか?
もし、その人と結婚することになったら?
今回ご紹介するのは、そんな想像をはるかに超える男女の結婚を巡る物語。
しかも、お相手はまさかの“伝説”と呼ばれる凄腕の殺し屋!?
本作は、ドラマ化された『プロミス・シンデレラ』でも知られる恋愛漫画の名手・橘オレコ先生による最新作。
明治時代を舞台に、伯爵令嬢と殺し屋という交わるはずのなかった二人が織りなす、命がけの結婚ロマンスです。
2024年の『みんなが選ぶ!!電子コミック大賞』では大賞に輝き、『全国書店員が選んだおすすめコミック2024』でも第1位に選出された大注目の本作。
それでは、気になるストーリーからチェックしていきましょう!
あらすじ
時は明治時代。町でも噂の美貌に恵まれながらも生まれつき心臓に病を抱え、そう長くは生きられないと医師から宣告されている16歳の桐ケ谷紗都子(きりがや さとこ)。

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幼い頃に母を亡くした紗都子は、父と後妻、腹違いの妹・美和子と4人で暮らしています。
伯爵家の長女でありながら、継母と妹との折り合いはあまりよくありません。

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そんな彼女の夢は、唯一心から慕う父のために、家の役に立つ結婚をすること。
そのために日々努力を重ね、縁談の話には事欠かないものの、結婚相手はなかなか決まりません。
運命の6月27日午後5時──。町へ出かけた紗都子は、突如現れた謎の男たちに攫われ、見知らぬ場所へと連れ去られます。そこで彼女が出会ったのは、全身血まみれの不気味な男。

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彼の名は後藤進平(ごとう しんぺい)──“伝説”と恐れられる殺し屋でした。
「9時になったら殺せ」との命令が刻一刻と近づくなか、紗都子は自身が生き残るために助かる方法を模索して頭をフル回転させ、殺し屋に言い放ちます。
「私たち結婚しましょう!」

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それは紗都子にとってその殺し屋だけが、唯一自身が助かる道と見込んでのことでした。
こうして、まったく交わるはずのなかった二人の運命の歯車が回り出します──。
果たして、彼らの行く先には何が待っているのでしょうか?
見どころポイント
それでは本作の見どころポイントを見て行きましょう!
ポイント1. ヒロイン・紗都子の強さ
一見すると、「病弱で余命宣告を受けた薄幸の令嬢」である紗都子ですが、ただの儚げなヒロインではありません。伯爵家の令嬢として育った彼女には、元来の気丈さがあり、冒頭での妹との口喧嘩からもその一端が垣間見えます。

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ですが、ここでお伝えしたい「強さ」とは、気の強さではなく芯の強さのこと。気の強さと芯の強さは全く別物で、気の強さは外へと向かう一方で、芯の強さは内側に留まり熟成します。自らの命の期限を知る人間の覚悟、そして自身の価値を上げるために積み重ねてきた努力によって培われた自信、この2つが紗都子の芯の強さを作り上げているように思えます。

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それは、「長く生きられない」と告げられた彼女が、幼いころから自分の存在価値を問い続けてきた結果なのかもしれません。読んでいて涙が出そう……!
けれど紗都子は、まったく異なる環境に置かれたことで、自分が実は何もできないという現実を思い知らされます。どれほど稽古や勉強を積み重ねても、自分なりに磨いてきた価値観が、外の世界ではまったく通用しない――そんな残酷な現実に直面するのです。
でも、それもこれも攫われたからこそ得られた気づきでもありました。
攫われたことで女がモノ扱いとされていたのが当たり前の価値観から解放され、自我が芽生えた。「死ぬはず」だった紗都子の中に、初めて「生きること」への執着が生まれたのです!

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まだ彼女の原動力は「桐ケ谷家の役に立つため」であるものの、心の奥底では「自分の人生を生きたい」という思いが芽吹き始めているようにも感じられます。
世界は美しく、愛は素晴らしく、生命は輝いている。
だからこそ、紗都子には「長く生きられないからこそ得た強さ」だけでなく、「生きたいと思うからこそ手に入れる強さ」も、これから積み重ねていってほしいと願ってしまいます。
それも「自分が幸せになるために生きたいから」という強さを。そう願わずにはいられません!
ポイント2. 伝説と恐れられる殺し屋・後藤進平の魅力
人間は初対面が重要、「人の第一印象は3秒で決まる」とかなんとか心理学では言われたりもしますが、血まみれ姿という衝撃的な初登場を紗都子に(わたしたち読者にも)披露した進平。
紗都子にとっても読者にとっても3秒で彼の印象は「なんだかヤバイ人」認定です!(笑)。

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血を洗い流し笑みを浮かべてはいても、どこか得体の知れない雰囲気をまとっており、紗都子は思わず身構えてしまいます。実は進平は伝説と言われる殺し屋でありながら、まだ齢18歳!
紗都子の2つ年上です。10代で身にまとった掴みどころのない不気味さは、これまで彼が生み、目にしてきた地獄絵図のような日々を想像するに難くありません。
紗都子も度々「何を考えているの?」「何者なの?」と掴みどころのない後藤進平という存在に困惑している様子。
紗都子による結婚の提案に食いつかないと思いきや、食いつき、ちょくちょく本人も自覚があるという「重めの愛」のジャブをかましてきます。無感情でそこらの大男の腕を切り落とすくせに、その一方で子どものように喜んだり拗ねたりする彼のアンバランスさは、危うく魅力的♪

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そのうえ、無邪気な笑顔と闇(病み?)が潜む笑顔を巧みに使い分けるのですから、ハラハラドキドキが止まりません。あれ…これって、不安や緊張でドキドキする感覚を「あなたが好きだからドキドキしている」と錯覚する「吊り橋効果」ってヤツでしょうか?

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1巻ではまだ謎ばかりの進平ですが、今後、彼の過去が語られることになると思いますので、彼の生い立ちやその人となりがどんどん明らかになってゆくはずです。この魅力的なヒーローに興味が尽きません!
ポイント3. ひたすらにドラマチック!時間の緩急が生きる演出!
橘オレコ先生の画力の高さには定評がありますが、ここであえてお伝えしたいのは、時間のコントロールの巧みさです。その描写力は、まさに異次元とも言えるほど。
アクションなどスピード感が重要な場面では当然ながら、本作が真価を発揮するのは、実は静かなシーンにおいてなのです。
「刹那を描ききる」とでも言えばよいでしょうか。登場人物の脳裏に刻まれる瞬間、心が揺れる瞬間――それらが最もドラマチックなかたちで読者に伝わってくるのです。

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まるで、時間そのものを自在に操っているかのように、コマの緩急で感情の起伏や緊張感が伝わってくるんです。
「呼吸する前の間ひとつ」や「拭う際の払い抜く手」、「流した視線」などに付随する溜めや抜きなど、1秒がただの1秒ではないことを読者は知るはずです!
もう、筆舌に尽くしがたい! もどかしいので、ぜひ本作でその時間の妙を味わってみてください。
ボイスコミックもチェック!
現在『ホタルの嫁入り』は、【フラコミチャンネル】にてボイスコミックが配信中です。
内容は物語が動き出す第一話、紗都子が結婚を提案するところまで。内山昂輝さん、石川由依さんが進平と紗都子をそれぞれ演じ、「ピッタリ♡」「このままアニメ化してほしい」と話題沸騰中です♪
観終えたあとには、続きが気になっていてもたってもいられなくなるはず。
もちろん続きはコミックでお楽しみください!
絶賛発売中の最新刊もチェック!
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『ホタルの嫁入り』は最新刊となる第10巻が12/19に発売されたばかり!
ますます目が離せない展開になっていますので、ぜひチェックしてください♪
まとめ
いかがでしたか?
1巻の冒頭は、見知らぬ老人が紗都子によって書かれたらしい手紙を読んでいるシーンから物語が始まりますが、当初よりSNSなどではその老人がいったい誰なのかという議論が巻き起こっていました。しかしそれは物語が進むほどに白熱していっている様子。それだけ本作の行く末を見守っている熱心な読者が多いという証(あかし)でしょう。
夏のわずかな期間、仄かに光を灯すホタル。ホタルの寿命はわずか10日と短く、暗闇を優しく照らすその光り方すら、儚い夢の象徴のようでもあります。
2人の運命は、果たしてどうなるのでしょうか。紗都子と進平の未来はもちろんですが、2人の気持ち、そして関係が変化していくであろう過程にも目が離せません♡
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